【リーディングスキルテスト】「中高生の読解力がピンチ」を見た感想
この記事でも内容について触れていくので読んでない方でもわかるように書くつもりですが、原文を見たい方はこちらをどうぞ。
RST(リーディングスキルテスト)という中高生を対象とした読解能力のテストがあります。このテストは問題文の中に必ず答えが書かれており、しっかりと文章を読み理解することができればそのことに関する知識を持っていなくても解くことができます。
今回話題となっている問題がこちらです。
まだ答えを見てない方は一度考えて頂きたい。
正解は②です。
この問題の中学生の正答率は12%、高校生の正答率は28%だそうです。
私はこの正答率を見てちょっと不安になりました。
この問題文、2つのことしか言ってないんです。
A.アメリカ以外の出身の選手が28%であること。(つまり72%がアメリカ出身)
B.アメリカ以外の出身の選手を見たとき、ドミニカ共和国が最も多く約35%であること。
私は②と答えることができたので憶測に過ぎませんが、恐らく「その出身国を見ると」の「その」の部分が何を指しているのかを理解できない人が多かったのかなと思いました(Bの部分)。このニュースを見た他の方のコメントなどを見ると、これぐらい出来て当然だろうと言う方も多いですが、「問題文が悪い」とか「これ大人でも難しいだろ」という声も見受けられました。さらに不安になりました。
別にBを理解できなくても、Aがわかるだけで②と断定できるんです。
72%がアメリカ出身を表すグラフは②しかありませんからね。
③,④が消えるのは自明ですが、①は単位が「%」ではなく「人」で、1000人以上いる中の720人なのでアメリカ出身者は72%よりも確実に少ないと断定でき消せます。そんなことしなくてもドミニカ35%という部分を正しく理解しても履き違えてしまっても、グラフを見ると①は明らかにドミニカが少なすぎるので直感的にでも消せますね。
この問題、どういう考え方をしたら②以外の選択肢に行き着くのか全く理解ができないんです。アメリカが72%だということがわかるだけで正解ですからね。ドミニカのくだりはおまけです。
私は「問題文が悪い」という意見にも反対です。もしこれが情報を提供するメディアの文章であればその意見にも多少共感できますが、これは読解力テストです。直感的には理解しづらい書き方をされた文章でも、正しく日本語を使っていれば(文法的に)理解することは出来るということです。
とは言ってもまだ希望が無いわけではありません。この問題は数ある問題の中でも後半部分にある問題で、考える時間が無かったという可能性もあります。そうでもなければここまで低い正答率にはならないと思いますし、そう願いたいです。皆がじっくり考えた上でこの正答率なら本当にピンチだと思います。これ以外のデータが無いので中高生だけに限定される話なのかはわかりませんけどね。
もうちょっと高い正答率てあって欲しかったです・・・。